
体重維持?減量?
小学生の肥満
今回は「10歳の男の子で身長153cm、体重62kg」という具体例を使いながら、成長期の肥満について考えていきます。
「このまま体重を減らした方がいいの?それとも体重は維持して、身長が伸びてBMIが下がるのを待つ方がいいの?」と悩むお父さんお母さんも多いと思います。
結論を言うと、小学生の成長期は「無理なダイエットを避けて、健康的な生活習慣を身につけながら身長を伸ばすことを優先し、体重はゆっくり管理する」のが一番良い方法です。
10歳で身長153cm、体重62kgのBMIはどれくらい?
まず、この子のBMIを計算してみましょう。
BMIは、体重(kg)を身長(m)の2乗で割った値で、体の太りすぎややせすぎを判定する目安です。
- 身長:153cm=1.53m
- 体重:62kg
計算すると…
BMI = 62 ÷ (1.53 × 1.53) ≒ 26.5
一般的に小学生の理想的なBMIは14〜17なので、26.5はかなり高く、肥満の状態と言えます。
なぜBMIが高いと成長に影響があるの?
肥満の子どもは、脂肪細胞からエストロゲンというホルモンが多く出ることがあります。このエストロゲンは骨の成長部分(骨端線)を早く閉じさせてしまう働きがあるため、成長期間が短くなり、身長の伸びが早く止まってしまう可能性があるのです。
一方で、体重を急に減らそうとして無理なダイエットをすると、必要な栄養が不足し成長ホルモンの分泌が減ってしまい、やはり身長の伸びに悪影響を及ぼします。
肥満の子は女の子は思春期が早くなり、男の子は思春期が遅くなると言われています。うちの子供は男の子だから思春期が遅い=晩熟 だから最終身長は高くなると勘違いは危険です。
思春期は遅いかもしれませんが、骨端線(こちらが閉じると身長は止まります。)が早く閉じてしまいます。結果、思春期は遅く晩熟タイプだが、背は伸びないという事になります。
身長・体重別 予測最終身長
| 名前 | 身長 | 体重 | 現在のBMI | 成長係数 | 予測最終身長(cm) |
|---|---|---|---|---|---|
| A君 | 150cm | 60kg | 26.7 | 0.70 | 167.5 cm |
| B君 | 150cm | 50kg | 22.2 | 0.80 | 170.0 cm |
| C君 | 150cm | 40kg | 17.8 | 1.00 | 175.0 cm |
| D君 | 140cm | 40kg | 20.4 | 0.90 | 162.5 cm |
| E君 | 140cm | 30kg | 15.3 | 0.85 | 161.2 cm |
| F君 | 130cm | 30kg | 17.8 | 1.00 | 155.0 cm |
| G君 | 130cm | 20kg | 11.8 | 0.70 | 147.5 cm |
最も伸びると予測されたのはC君とF君(BMIが理想に近く成長係数1.0)
→ バランスの良い体型は、成長の伸びしろが大きいと推定されます。
A君(BMI=26.7)とG君(BMI=11.8)は成長係数が0.7に抑えられ、最終身長も低く予測される
→ 肥満や過度のやせは、成長ホルモンや骨端線の早期閉鎖などに影響がある可能性があります。
適正体重に近く、BMIが17〜19の範囲にある子ほど、身長の伸びが良い傾向が見られます。
体重は維持する?それとも減らす?
① 体重を大きく減らすのはおすすめしません
成長期の子どもは、骨や筋肉を作るために多くの栄養が必要です。極端な食事制限は栄養不足を招き、成長ホルモンの働きを妨げ、かえって身長が伸びにくくなります。
また、ストレスも増えやすく、リバウンド(元の体重に戻る)リスクも高まります。
② 身長が伸びて体重を維持しながらBMIを下げるのが理想
身長が伸びれば、体重が変わらなくてもBMIは自然に下がります。
そのため、まずは「体重は大きく増やさず、身長が伸びるのを待つ」という戦略が安全で効果的です。
同時に、食事や運動を改善して脂肪を少しずつ減らし、筋肉を増やすことで基礎代謝を上げ、自然に体脂肪が減るように促すのが良いでしょう。
具体的にどうしたらいい?
1. バランスの良い食事を心がける
- 野菜や果物、魚や肉など、栄養バランスの良い食事を
- ジャンクフードや甘い飲み物は控えめに
- 食べる量よりも「質」に注目
2. 適度な運動を習慣化する
- 楽しく続けられる運動(縄跳び、ランニング、ボール遊び、水泳など)を毎日30分以上
- 運動は筋肉を増やし、基礎代謝を上げて脂肪が燃えやすくなる
- 運動はストレス解消にも効果的
3. 十分な睡眠をとる
- 夜9時〜10時までに寝る習慣を
- 成長ホルモンは睡眠中に多く分泌されるため、7〜9時間の質の良い睡眠が大切
4. ストレスを減らし、リラックスする時間を作る
- 楽しいことや好きなことに時間を使い、ストレスをためない
- ストレスは成長ホルモンの分泌を妨げることがあるので要注意
専門医の受診も大切
肥満が気になる場合、自己判断せずに小児科や内分泌科などの専門医に相談しましょう。ホルモンの異常や他の健康問題がないか検査し、必要に応じて適切な指導や治療を受けることが最も安全です。
まとめ
- BMIが26.5は小学生としてはかなり高い肥満状態
- 無理な食事制限は成長に悪影響を及ぼすので避ける
- まずは「体重は大きく減らさず、身長が伸びるのを待つ」ことが安全で効果的
- 食事の質を改善し、運動を習慣化して健康的な体づくりをする
- 睡眠やストレス管理も忘れずに
- 専門医の診察で健康状態を確認することが重要
健康的に成長しながら身長を伸ばすために、焦らずじっくり生活習慣を見直していきましょう。お子さんの将来のためにも、無理なく楽しく続けられる工夫が大切ですよ!


